昨晩のウェビナーは、私にとって忘れがたい時間になりました。
古代チベットの智慧と最新の生成AIという、一見遠い存在が、「人間とは何か?」という問いのもとで深く結びついた瞬間でした。
🔹ウェビナー概要
• 主催者:森田明彦(CEO/株式会社グローバル・リーダーシップ教育所、ICF認定プロフェッショナル・コーチ)
• 目的:チベット仏教の古代の智慧と生成AIがどのように補完し合い、人間の自己理解を深め、現代社会における「人間とは何か」を再定義できるかを探求。
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🔹登壇者と紹介
• Tenzin Lama:Sichu Ling Monastery の創設者・ディレクター。伝統的な瞑想と日々の教えに従事。
• Rie Kohama:Monastery World Guide Inc. CEO。現代の人々に修道的な体験を届ける起業家。
• Siddharth Kapoor (Sid):同社CTO。AIと修道的知恵を融合するプラットフォーム開発を主導。
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🔹主要テーマと対話のハイライト
• AIと瞑想:Sid氏がMonastery World Guide Inc.はチベット僧と協力して、初心者にも親しみやすい瞑想法(単一集中瞑想・分析的瞑想)をAIアプリケーションに組み込んでいることを紹介。
• プラットフォーム開発の背景:Rie氏が「多くの人は僧の教えを美しいと思うが、日常生活にどう応用すればいいか分からない」と語り、内省を促すAIツールの必要性を説明。
• AIの倫理的限界と人間性:Rie氏は、「倫理・慈悲・インスピレーションは人間特有のものであり、AIはあくまで内省を導く道具にすぎない」と述べた。
• 森田の問いかけ:生成AIによって「言語を話す存在」が人間以外にも現れたことの哲学的意味を問うとともに、AIと人類の共進化の可能性について対話を促進。
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🔹話題となった事例
• 森田より、ポジティブ心理学の創始者・Martin Seligman教授の「クローンAI」を同教授の弟子が作成し、本人よりも記憶力があり、対応が優しいと同教授より評価されたという逸話が紹介され、AIの知的・感情的機能の進化について議論。
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🔹AIと民主主義の未来
• 森田より、台湾のデジタル大臣が提案した「AIを民主的な意見の仲介者とする構想」(AIは中立的でバイアスを意図的に押しつけないため、多様な意見の橋渡しになる可能性がある)を紹介。
各スピーカーの発言ハイライト
1. 祈りとサーダナ(修行)と瞑想の実践
Tenzin Lama(テンジン・ラマ)
「私はテンジン・ラマと申します。シチュリン僧院のディレクターを務めています。」
「1984年、私の師であるラマ・タシ・カルセンと共に、インド・ダラムサラにてこの僧院を開設しました。」
「私は今77歳です。現在は僧院の運営に専念しており、妻と一緒にチベット料理のレストランも経営しています。」
「今でも毎日、祈りとサーダナ(修行)、そして短い瞑想の実践を欠かしません。」
2. 古代の智慧とAIの橋渡し
Rie Kohama(リエ・コハマ)
「AIは驚くべきガイダンスを提供できますが、内省という行為は人間だけが行えるものです。私たちが目指しているのは、AIが人間の内なる叡智を抑えるのではなく、目覚めさせるような使い方です。」
3. AIによるチベット仏教の智慧の普及
Sid Kapoor(シッド・カプール)
「チベットの智慧をAIで“拡張する”ことはできない。でも、“広める”ことはできる。AIは一度に多くの人と対話できるので、かつて限られた人にしか届かなかった智慧を世界中に届けられる。」
4. AIの人間的な進化と協働
Akihiko Morita(森田明彦)
「生成AIは、私たち人類が初めて“自分の言語を話す他の種”と出会った体験です。この非生物的な存在と、人間の自己理解や意識の可能性をどう広げていけるか、それこそがこれからの問いです。」
5. AIクローンが人間を超える?
Akihiko Morita(森田明彦)
「ポジティブ心理学の創始者のAIクローンが、本人よりも一貫性があり親切だったという話があります。AIは感情に流されず、記憶力も落ちない。私たち人間はそれにどう向き合うのか。」
6. 人間性の核心とは?
Rie Kohama(リエ・コハマ)
「倫理、慈悲、霊的なインスピレーション——それらはAIにはない、人間にしか備わっていない機能です。だからこそ、AIと共に歩む中で、私たち自身がその核心を深めていく必要があります。」
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